2011年4月4日月曜日

南米パラグアイより

こんにちは。留学中の隈崎です。

・初めに

日本では大変な事になっており、鶴牧でも小・中学生、選手たちの巣立を素直に喜べないお気持ち、胸中お察しいたします。

そんな中、日本を救おうと様々国からの支援、日本国内での義援金、そしてスポーツではチャリティーマッチで日本を元気
にしようとする行動。大小規模は違えれど、様々な角度から日本を救おうと頑張っている姿を地球の裏側でも知る事がで
きます。

どんな状況に置かれても、子どもの成長は周囲を明るくさせ、やがて日本、世界の力になると信じております。それは学校
であれ、クラブであれ様々ですが、大切なのは育つ環境を保ち続ける、発展することだと思います。幸い、鶴牧には地域に
密着した温かな環境があるので、心配しておりませんが、直接の被害を受けてないとはいえ、心中どこかに痛ましきものを
もって生活しているかと思います。こんな時だからこそ、子どもが持っている素質、明るさを十二分に引き出して日本を明
るくして下さい。地球の裏側からも応援しております。

梅花五月雨に涙す

隈崎大樹

・レポート

さて、最近ユースやジュニアの試合を見ていたときに感じた事をレポートします。

「応援と観戦」

前回は練習内容を少しばかり紹介しました。今回は子どもを取りまく保護者(こちらではギャラリーと言った方が適切だと
思います)について紹介します。
先ずはレセルバ(U18)とキンセ(U15)についてです。こちらでは練習試合を行うときトップチームの「前座」として行いま
す。その時はしっかりと、監督・コーチ・ドクターそしてレフリーがおり、交代自由を除けば公式戦と遜色変わりはありません。
アリーナには身内や観戦者がたくさんおり、私が観ている限り「応援」が半分、「観戦」が半分といった様子です。日本では
我が子の成長を観るのが第一目的としている保護者が多いかと思われますが、こちらでは先ず見て楽しむ、すなわち観戦
が第一の様です。ですから、良いプレーをした選手には絶賛の拍手を送りますが、良くないプレーをした選手には容赦なく
罵倒が飛びます。これが公式戦になるとアリーナにはチパ(パラグアイのおやつ)を売りにくるおじさんや、コーラや水を
売りにくる少女がうろうろしているので、もうプロリーグと変わらない試合環境でサッカーを子どもたちはプレーしています。
ジュニアに関しては、3〜4チームがハーフ1本の時間で代わる代わる試合をします。技術は日本の子どもの方が繊細ですが、
パラグアイの子どもの当たりは見ていて凄いと驚きます。どこが凄いかと言うと、体の使い方が大人の体の寄せ方と同じ
形なのです。肩をしっかり相手の前に出しながらグイッグイッと体を入れる姿は様になっています。
そんな白熱した試合の周りで大人たちはと言うと、これまた上級生と同様に思いっきり「観戦」しています。中にはビールを飲み
ながら思いッきりヤジを飛ばしているおじさんもいます。
日本では子どもの試合を見るとき、「応援」の気持ちで来ている保護者の方々が主で、その試合を「観戦」しているのは少数
の様な気がします。また、「知らない人」が見にくると言う文化はまだ根ざしていませんね。
観戦のマナーは置いといて、色々な人(特に知らない人)が試合を観にくる環境は選手にとって身が引き締まる環境になりま
すし、選手にとって試合が特別なものに感じるようになると思います。
こちらでの子どもの試合を観て私が感じた事は「勝負強くなる環境」だと思いました。技術や練習内容では日本が上回って
いるのに、なぜこの国からこんなにも強い選手が輩出されるのか?その答えは、子どもたちを取り巻く保護者=ギャラリーの
存在が多いのかもしれません。

※写真の中で、籠を持ったおじさんがチパ売りです。

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