2010年4月19日月曜日

中体連春の大会

いよいよ中体連春季大会第7支部日南町田地区予選が始まりました。
少し前置きを。
この予選には、秋の新人戦でベスト4の4校を除く35校が11ブロックに分かれて戦います。各ブロックの予選1位11校と、4チームブロックの2位チームから1校、計12校が決勝トーナメントへ。この12校と予選免除の4校を加えた16校が決勝トーナメントを行い、上位8校が第7支部八王子地区のベスト8と戦い、上位3校が都大会に進みます。
鶴牧中学校は予選Bブロックで、大坂上中、日野三中と戦います。大坂上中学校は新人大会日南地区ベスト8に入ったチームです。したがって、今回は大坂上中学校が大きな壁になります。新人大会は6-0、3-0、3-0、3-0で勝ち上がっており、失点のないチームです。このところ日野市の中学校とは対戦がなく、情報もありませんでしたので、先生と一緒に朝から対戦相手の試合観戦に行きました。
さて、前置きはここまで。

大坂上中vs日野三中
大坂上中は3年生がほとんどで2年生は2人だけ。対する日野三中は3年生が2人、2年生が6人、なんとこの間まで小学生だった新一年生が3人という、2チームです。立ち上がりから大坂上中が圧倒的にボールを支配し、シュートを1本も打たせることなく終了。結果は11vs0という大差がつく結果となりました。ディフェンスもキーパーもほとんどプレーする機会がないため、相手のディフェンスの強さはよくわかりませんでした。オフェンスは全員背が高く、足も速く、両サイドの8番と9番を走らせ、サイドから折り返すサッカーです。真ん中からドリブルやスルーパスを通す攻撃はほとんどありません。結果として、この両サイドをどうやって封じるかが鍵となると考えられました。この試合の前半途中で到着したメンバー、試合を見ての感想は、速い、でかい、つよそー、ということでした。ただ、相手が11点取ったのなら12点は取らなきゃね、という威勢の良い感想もありました。

鶴牧中vs日野三中
この試合はたくさん点を取るんだという機運が高まり、よい緊張感と前向きな姿勢で入ることができました。ベンチからの指示は、相手に合わせる悪い癖をださないこと、どんな相手でも自分たちの練習どおりにプレーすることです。立ち上がりから相手キックオフをタクが奪い取り前線へドリブル、中に切れ込んでパスを出しますがとおらず。しかし、タクのアグレッシブなアクセスがよく、再三再四相手の裏にドリブルで入り込みます。ただ、中への折り返しがうまく合いません。同じように、前線でパスカットしたボールをシュンタ、イツキが冷静に左右に散らし、ダイチもドリブルで裏を取ります。きれいな折り返しがタクにドンピシャ、誰もが先制かと思いましたが、きちんとあたらず、ゴールキーパーの前に力なくコロコロ。このまま点が入らないかと思い始めた立ち上がり4分待望の先制点。折り返しを受け、フリーになったショウタが冷静に蹴り込みました。その2分後、これまで少ないタッチで左右にボールを散らしていたイツキがドリブルで中央突破、ディフェンダーを次々と抜き去り、最後はキーパーと1対1、これをキーパーの動きを見ながら逆方向に冷静にシュート、2点目。その後、クロスバーの跳ね返りをきちんと詰めたタケルが蹴りこみ3点目、まだ前半半分、本当に12点を目指しているのでしょう、自分たちがゴールしたボールを自分たちで取りに行きセンターサークルまで戻します。気合が入っています。その後はダイチが4点目、ショウタがこの日2点目となる5点目と、彼らの目標には届かなかったようですが、前半を5-0で終えました。ここで、ベンチは次の大坂上戦に備え、膝に故障を抱えるアツシをベンチに下げ、ヨウスケをピッチへ。
後半開始。大量点を目指す気持ちから少しずつプレーのタイミングが崩れていきます。パスが遅すぎたり、ドリブルが長くなりすぎて、回りとの連動が少なくなり始めます。さらに、センターバックのアツシの指示がなくなり、久しぶりに右サイドバックに入ったヨウスケとダイチの呼吸もあわず、ちょっとぎくしゃく。そのうち、タケルとショウタのチェイシングも少なくなり、悪いときのパターンになっていきます。そんな中、どのようなときでもプレーの質の変わらないイツキが本日2点目となる6点目をゲット。しかし、この1点もリズムを取り返すことにはならず、ずるずると後半が終了。終わってみれば6-0まででした。
大量点というのはなかなか難しいものです。点を取りたいという気持ちと、このぐらいの相手なら自分一人でも抜けそうというちょっとした驕りが自分たちのサッカーを変えていくことに気付いて貰えたらよかったと思いますが。。。。

鶴牧中vs大坂上中
正直に厳しい試合です。ほとんどが上級生で体も大きく、スピードも速い相手、どこまで気持ちを前向きに戦えるかが鍵です。そして、この試合のポイントは足の速い両サイドと対面するタクヤとカズシであることを示唆し、相手のスピードを止め、無理そうだったら外へ蹴りだしてもかまわないと指示してピッチへ。予想通り、キックオフをシュンタに下げたところから相手プレッシャーが速く、前にボールを出せずにディフェンスまで下げざるを得ず、自陣内に引き込んでの試合開始になります。試合開始前、相手陣内で試合をしたいので、キックオフのボールをタクかダイチの前、できなければ、タッチに蹴りだすぐらいの気持ちで蹴ってほしいと伝えたのですが、シュンタに下げるボールがずれてキックできるようなボールではなかったようです。指示を実現できなかったのはそこだけ、タクヤとカズシの両サイドバックが気持ちの入ったディフェンスを繰り広げます。カズシは相手の走りこみに振り切られそうになりながらもあきらめることなく体を寄せ、最後の最後にセンターリングに足をだし、きれいに蹴り込ませません。不用意に飛び込むこともなく、相手のスピードを殺してくれているので、センターリングもジョーとアツシがさばくことができます。一方タクヤは、相手の動き出しをよんでいるのか、淡々とパスカットしたり、相手ボールになる前に蹴りだすなどクレバーなプレーが目を引きます。ベンチから「あんなにうまかったっけ?」の声が漏れました。あとすごかったのがキーパーです。今日はタイキが体調不良で急遽サブのキーパーが出たのですが、これが勇気の塊のよう。再三再四アグレッシブに飛び出し、1対1の場面を数回防ぎました。このキーパーの頑張りと、両サイドからボールを放り込めない相手は慣れない中央突破を図り始めます。しかし、慣れないためでしょう。相手11番フォワードが明らかなオフサイドを繰り返す結果になります。しかし、このオフサイドの繰り返しが大きな意味を持つことになるとは予想できませんでした。一方、攻撃陣を目を向けると、シュンタは相手が速かろうが、強かろうがほんとうにひょうひょうとプレーできるしたたかさがあります。相手が速ければワンタッチのパスを出す器用さがあります。相手が強く当たってきてもボールを失うこともあまりありません。ただ、ボールの受け手が見つからず、仕方なくドリブルを選択して抜ききれないという感じです。イツキもプレーの質は変わりませんが、ボールを取りに体を入れたときに強くあたられ、バランスを崩してボールを失うことがあり、ボディバランスとフィジカルの強さが付けばという感じです。ショウタとタケルにはなかなかボールが収まらず、苦しい中でボールを受けることになるため、なかなか前を向いてプレーできません。一度だけイツキからのスルーパスをショウタがワントラップで前を向き、センターバックの裏を取れたのですが、トラップ時の相手センターバックのあたりにバランスを崩し、トラップが長くなり、キーパーにさばかれた場面が惜しかった。さてさて、問題は両サイドのタクとダイチ。このチームの攻撃の生命線です。この二人が前を向いてドリブルすることが鶴牧のペースを作るうえで大事です。タクは、トラップとフェイントで相手のタイミングをずらして前を向くのがうまいのですが、引き技が多いため、体の大きな速い選手が相手だと、後ろ体重になり、前を向くのが遅くなります。その分後手になり、前に出れません。一方ダイチのフェイントはタクとは逆に直線的でスピードを活かしたものです。しかし、相手が大きいため、かわしたつもりでも相手の足が伸び、抜ききれません。前を向くところまではできるのですが、抜き去ることができません。そんな状況で残り5分をきりました。ベンチからは後5分耐えてくれという意味で「あと5分」と声をかけました。これは子供たちにどのように受け取られたのでしょう。「まだ5分もあるの」、「もう少しだ」、「これで大丈夫」などなど。この声かけは正しくなかったような気がします。声を掛けた30秒後、相手のスルーパスがフォワードの11番へ、明らかにオフサイドポジションです。11番がそのままボールに向かい、オフサイドと思いました。ディフェンスもオフサイドと線審を見ます。ところが、その後ろから相手10番が飛び出していました。この選手はオフサイドではなかったようです。一瞬の虚をつかれ、失点。これまで、張り詰めていた緊張感が崩れたか、そのわずか1分後にコーナーキックから失点。前半を0-2で終了。声をかけるタイミング、声をかける内容、本当に難しいと思いました。
決して下を向く内容ではない、0vs2は一番逆転が起こる点差。後半早い段階に1点取れれば流れは変わると伝えピッチへ。ディフェンス陣は、アツシ、ジョーを中心にカズシ、タクヤが前半と変わらず、相手の流れを断ち切ります。しかし、オフェンス、特にボランチのイツキとシュンタがフリーでボールをコントロールできないため、リズムが作れません。気になるのはダイチの声がなくなり、攻撃を仕掛ける回数が少なくなっていること、あまりに抜けないため、考え込んでしまっているようです。そんな中、センターバックで体を張ってきたジョーが一瞬の隙をつかれ、ドリブルでかわされます。アツシとの距離が少しあり間を抜かれる形となって失点。0-3。もう点を取りに行くしかありません。そこで、一番気合が入っているアツシを一枚前のボランチへ、サイドにシュンタを出し、ダイチをセンターバックにと布陣を変えます。センターバックに入ったダイチは、ディフェンスすることに集中し始め大きな声が出るように、アツシもアグレッシブに前に行き、右サイドからシュンタがボールを前に出せるようにはなりました。しかし、相手ディフェンスを脅かすまでには至りません。時間だけが過ぎていきますが、決定的なチャンス、いやシュートさえも打てず、さらに1失点。結局0-4の敗戦でした。

これで春季大会は予選敗退です。
しかし、これからを感じさせる戦いでした。できる限り練習試合を組んでいろいろなことを試しながらいよいよ三年生の引退をかけた夏季大会に向けて再チャレンジしたいと思います。

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